2026-09-09
「部下が本音を話してくれない」と感じたら、まず見直したい聴き方
「最近どう?」と聞いても「大丈夫です」としか返ってこない——中間管理職の方から、よくこうしたお悩みを聞きます。もっと本音を話してほしいのに、なぜか距離を感じる。それは部下の性格の問題ではなく、質問の「向き」がずれているサインかもしれません。
その質問、答えを決めつけていませんか
「順調?」「困ってることない?」——一見やさしい質問に見えますが、これは「はい」か「いいえ」でしか返せない質問です。忙しい部下ほど、答えやすい方を選びます。当たり障りのない返事しか返ってこないのは、むしろ自然なことなのです。
これは信頼関係が薄いからではなく、質問の「型」の問題であることがほとんどです。「はい/いいえ」で終わる質問(クローズドクエスチョンと呼ばれます)を、自由に答えられる質問(オープンクエスチョン)に変えるだけで、返ってくる言葉の量も質も変わっていきます。
たとえば「進捗どう?」を「今、何が一番進めにくいと感じてる?」に変えるだけでも構いません。同じテーマを聞いているのに、相手が自分の言葉で説明せざるを得ない質問になり、結果として本音に近い言葉が出てきやすくなります。
「聞く」ではなく「聴く」を意識する
以前、あるチームリーダーの方とお話ししていて、印象に残ったことがあります。「部下の話を聞いているつもりだったけど、実は次に自分が何を言うか考えながら聞いていた」という気づきでした。
これは誰にでも起こることです。相手の話を最後まで受け止める前に、頭の中でアドバイスの準備を始めてしまう。すると相手は話の途中で「もう聞いてもらえていない」と感じ取り、それ以上の本音を引っ込めてしまいます。逆に言えば、最後まで口を挟まずに受け止めるだけで、相手が話せる量は変わってきます。
今日からできる、小さな一歩
大きく変える必要はありません。次の3つから、ひとつだけ試してみてください。
- 「順調?」ではなく「今、一番気になっていることは?」と聞いてみる
- 相手が話し終わるまで、次に言うことを考えない
- 答えが返ってきたら、すぐに意見を言わず「もう少し聞かせて」とひとこと添える
質問の向きを変えるだけで、部下との会話は少しずつ変わっていきます。すぐに劇的な変化が起きるとは限りませんが、「ここでは話しても大丈夫だ」と感じてもらえる空気は、こうした小さな積み重ねから生まれていくものです。
聴き方は、一度身につければ終わりというものではなく、相手やその日の状況によっても変わっていくものです。だからこそ、自分一人で工夫を重ねるだけでなく、第三者と一緒に自分の聴き方の癖を振り返ってみるのも、遠回りのようで実は近道になることがあります。